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フリーソフトで SSD をクローンする方法 (Clonezilla と GParted その1/ 2024年10月)

概要

SSD を換装する際に、OSインストールは手間なのでクローンしようとしましたが、以前使っていたソフトウェアで無料で利用できた機能が使えなくなっていたりなど、探すのに時間がかかった上に結局手ごろなのが見つからなかったので、オープンソースでフリーとなっている Clonezilla を使うことにしましたので情報残しておきます。
Windows 上で操作できる有料のソフトウェアと違い、少し手間がかかる部分はありますが、一度使えるようになれば 次からはこれでいけるでしょう。
(もちろん、操作が直感的にわかりやすいソフトウェアを購入するのも選択肢の一つだとは思います。)

また、Clonezilla はディスクのイメージング、クローニングのみなので、パーティションの移動などは別で行う必要があります。パーティション操作は GParted で行いました。これもオープンソースでフリーです。

最終的に、物理コンピュータの内蔵 SSD の交換、クローン作成、パーティションの移動を行っていましたが、事前に VMware Workstation Pro 上で仮想マシンを作成し、操作手順の練習も行いました。壊れても大丈夫な仮想環境を用意して、一度練習しておけば不慣れな作業も安心して進められます。
以降、仮想マシンで試した際のスクリーンショットをベースに記載します。

作業の流れ

Clonezilla GParted は、Windows 上のアプリケーションではなく、USB メモリや CD/DVD メディアから起動して利用するアプリケーション・ツールです。

まず Clonezilla を使って元のSSDを新しいSSDにクローンします。その後、必要に応じて GParted を使用し、パーティションの調整を行います。
特に Windowsの Cドライブ を含むディスクでは、多くの場合 ディスクの後ろの方に回復パーティションが配置されています。
クローン後にディスクの末尾に未使用の領域ができますが、この領域はCドライブのパーティションに隣接した位置にないため、そのままではCドライブの容量を拡張することができません。

一度回復パーティションを削除して、Cドライブ拡張後に、回復パーティションを再作成する方法もあるようですが、
単に回復パーティションを移動させるだけでも動いたので、ここでは回復パーティションを末尾に移動するという方法にしています。

このため、回復パーティションをディスクの末尾に移動させ、未使用領域をCドライブのパーティションに隣接させてからCドライブが拡張します。これにより、効率よくディスク全体の容量を活用できるようになります。

  1. Clonezilla のメディアの用意
  2. 新しいディスクの接続
  3. Clonezilla をメディアからブート
  4. Clonezilla でクローンを実施
  5. 古いディスクの取り外し
  6. GParted のメディアの用意
  7. GParted のメディアからブート
  8. GParted でパーティションの移動を実施
  9. Windows でCドライブの拡張

長くなったので、記事を分割しています。
この記事では 5 までです。

続きは以下に記載しています。

Clonezilla とは

読み方は、「クローンジラ」です。
公式サイトは以下です。
https://clonezilla.org/

What is のところに記載がありますが、Clonezilla は、ディスクやそのパーティションの イメージングやクローニングができるプログラムです。

Clonezilla 自体は GNU General Public License(GPL)バージョン2のもとでライセンスされています。ただし、Clonezilla を実行するには、Linux カーネルや最小限の GNU/Linux OS など、多くのフリーかつオープンソースのソフトウェアが必要です。

What is Clonezilla?

Clonezilla is a partition and disk imaging/cloning program similar to True Image® or Norton Ghost®. It helps you to do system deployment, bare metal backup and recovery. Three types of Clonezilla are available, Clonezilla live, Clonezilla lite server, and Clonezilla SE (server edition). Clonezilla live is suitable for single machine backup and restore. While Clonezilla lite server or SE is for massive deployment, it can clone many (40 plus!) computers simultaneously. Clonezilla saves and restores only used blocks in the hard disk. This increases the clone efficiency. With some high-end hardware in a 42-node cluster, a multicast restoring at rate 8 GB/min was reported.

License:

Clonezilla itself is licensed under the GNU General Public License (GPL) Version 2. However, to run Clonezilla, a lot of free and open source software, e.g. the Linux kernel and a minimal GNU/Linux OS, are required.

https://clonezilla.org/

3つの形態があります。

  • Clonezilla Live : 単一マシン用。CD/DVD または USB フラッシュ ドライブを使用して Clonezilla を起動および実行できる
  • Clonezilla lite server : 複数マシン展開用。Clonezilla Live と同じように、その場限りで簡易的に Clonezilla lite server を起動させて、複数のマシンにイメージを展開できる
  • Clonezilla Server Edition (SE) : 複数マシン展開用。DRBLサーバも用意する必要がある。授業用のマシンの展開など、何回も展開を行うような環境だと lite よりも使い勝手がよいかもしれないです。

このあとは Clonezilla Live を利用します。

GParted とは

読み方は 「ジーパーテッド」になると思います。
公式ページは以下です。
https://gparted.org/

About や Feature のところに記載がありますが、GPartedは ディスクパーティションをグラフィカルに管理できるフリーのパーティションエディタです。
GPartedを使用すると、データを失うことなくパーティションのサイズ変更、コピー、移動が可能になります。これにより、以下のような操作を簡単に行えます。

  • C:ドライブの容量を増減する
  • 新しいOS用の空きスペースを確保する
  • 複数のOS間でデータを共有するためのパーティションを作成する

GPartedでは、パーティションに対して以下の操作が行えます。

  • 作成や削除
  • サイズ変更や移動
  • チェック
  • ラベルの設定
  • 新しいUUIDの設定
  • コピーと貼り付け

ライセンスは、GPartedはGNU General Public License(GPL)バージョン2、またはその後のバージョンのもとで配布されています。

About

GParted is a free partition editor for graphically managing your disk partitions.

With GParted you can resize, copy, and move partitions without data loss, enabling you to:

  • Grow or shrink your C: drive
  • Free up space for new operating systems
  • Create partitions to share data among operating systems

FreeSoft

GParted is free software.
You have the freedom to run, copy, distribute, study, change, and improve GParted.
You do not have to pay money to use GParted.
GParted is distributed under the GNU General Public License version 2 or (at your option) any later version.

https://gparted.org/

SSD のクローンの作業で必要なもの

物理コンピュータの ディスクの換装とクローンには以下が必要です。
以降、SSD とだけ記載していますが、HDD に対しても同様な作業は可能です。必要な機材については適宜読み替えてください。

  1. Clonezilla や GParted の起動イメージを書き込む USB メモリ
  2. クローン元の SSD
  3. クローン先の SSD
  4. 外付けの SSD ケース (必要に応じて)

USB メモリ

Clonezilla や GParted の起動イメージを書き込むための USB メモリです。
起動イメージを CD-R や DVD-R などに書き込んで利用することもできますが、最近は光学ドライブが搭載されていないコンピュータも多いので、物理コンピュータで作業するときは、USB メモリ利用しています。

サイズは、それぞれのイメージを保存できれば良いので 1GB で足りると思いますが、ここでは以下の USB メモリを利用しています。

仮想マシンに対して作業するときも、USB メモリを VMware Workstation Pro を動かしているホストの物理コンピュータ側にさすことで USB ブートすることは可能ですが、仮想マシンの場合は ISO ファイルを仮想 CD/DVD イメージにマウントして使うほうが楽です。
参考までに、以下の手順では 仮想マシンを 物理USBメモリからのブートする方法に言及しています。

クローン元の SSD

元々、コンピュータにささっている 交換前の SSD です。
今となっては古いですが WDS100T2B0C-EC の SSD を使ってました。

クローン先の SSD

交換後の SSD です。
今回は、物理で行った際は CSSD-M2L2KSFT4KG の SSD に交換しています。
Clonezilla で行う場合、基本的に クローン先は クローン元と同じかそれよりも大きいサイズのディスクにする必要があります。
(Clonezilla のページに書いてある通り The destination partition must be equal or larger than the source one. です。)

SSD 用の外付けケース

ノートPCでは、内部に1つしかSSDスロットがない場合が多いです。しかし、Clonezilla Live でクローンを作成する際には、元のSSDと新しいSSDの両方に同時にアクセスできる状態にしておく必要があります。そのため、外付けのSSDケースを用意します。もしデスクトップ PC などで空きスロットがある場合は、外付けケースは必要ありません。

接続には USB 3.0 に対応しているケースがよいと思います。
今回、M.2 SSDをクローンした際には、以下のものを準備しました。
これだと、M.2 の物理サイズ (2242, 2260, 2280) や インターフェース (NVMe や SATA) および、Key (端子の形状 M や B+M など) を気にせずに使えて、ネジ止めもないので便利です。

M.2 ではなく、2.5 インチの SSD や 2.5/3.5 インチ HDD の換装の場合は、クローン時だけなど一時的な利用であれば以下のようなのが手軽だと思います。

仮想マシンでの操作例 (物理マシンで行う前に練習した)

実機で行う際は、万が一の事態に備えて、事前にバックアップを取得してください。
また、念のため Windows の回復ディスクや、メーカごとのリカバリメディアの作成も事前に行っておいたほうがよいです。

重要なデータのない仮想マシンを仮で作成して、その仮想マシンに2つ仮想ディスクを接続すれば、操作の練習ができます。
以下 VMware Workstation Pro に Windows 11 の仮想マシンを作成して、そこに仮想ディスクを追加し、その後クローンとパーティション移動を試した際の流れです。

物理マシンで行う前に

仮想マシンの準備

Window 11 の仮想マシンを用意します。方法は別の記事をご参照ください。

ディスク交換前は以下のようなパーティションです。
64GB のディスクを一つ用意して、そこに Windows 11 をインストールした形です。
最後尾に回復パーティションがあるのが特徴です。

Clonezilla Live の用意

Clonzezilla の Download ページから、ダウンロードします。
https://clonezilla.org/downloads.php

UEFI ブート可能なコンピュータの場合は、zip ファイルをダウンロードして FAT32 でフォーマット済みの USB メモリに中身をコピーすればよいです。
よくわからなければ、iso 形式でダウンロードして、Rufus などのツールで USB に書き込めば OK です。
仮想マシンでテストするときは、iso ファイルを仮想 CD/DVD ドライブにマウントしてブートしたほうが楽です。

ISO ファイルから、ブート可能な USB メモリを作成するには Rufus などを利用すればできます。

Rufus のページは以下です。
https://rufus.ie/ja/

ここでは インストール不要なポータブル版を使いました。
ブートの種類の右側の選択ボタンから Clonezilla の ISO ファイルを選択して、他はデフォルトのままでスタートをクリック、表示されるダイアログを確認して OK と進めていけば作成できます。

この後の手順例では、Clonezilla のイメージが書き込まれた USBメモリを使ってのブートとしてありますが、
もし ISO ファイルを仮想マシンの仮想 CD/DVD ドライブにマウントして利用する場合は USB メモリの作成は不要で、仮想マシンの設定の編集から設定します。

仮想マシンに仮想ディスクを追加

換装する SSD を想定して、仮想マシンに新しく仮想ディスクを追加します。
仮想マシンの設定の編集から、[追加] ボタンをクリックし、[ハードディスク] を選択後、ウィザードに従って進める形です。
もともとの仮想ディスクよりもサイズが大きくなるように構成します。

Clonezilla Live の ISO イメージか USBメモリからブート

Clonezilla のブートイメージの準備とディスクの追加できたら、次は Clonezilla を起動します。
以下では、物理の USB メモリから起動した場合のスクリーンショットです。
もし仮想CD/DVDドライブから起動する場合は、ISO ファイルを仮想CD/DVDドライブにマウントした後、Boot Manager で EFI VMware Virtual SATA CDROM Drive ドライブを選択するだけです。

仮想マシンを選択して、パワーボタンの右の下向き▽をクリックして [ファームウェアへのパワーオン] をクリックします。
すると、仮想マシンの Boot Manager が起動します。(いわゆる、昔でいうところの BIOS 画面のようなもの)

すでに物理マシン(ホスト) 側に Clonezilla の USB メモリが刺さっている場合は、
この画面 Boot Manager が出ているときに [仮想マシン] メニュー – [取り外し可能デバイス] – USBメモリを選択 – [接続 (ホストから切断)] を選択します。

もし、Boot Manager が起動している段階で 物理の USB メモリが物理マシン(ホスト) にささっていない場合は、ホスト側に USB メモリをさします。
USB メモリが検出されると ダイアログが表示されるので、仮想マシンに接続します。

仮想マシンに USB メモリが接続されたら、Boot Manager のメニューで [Reset the system] を選択します。
仮想マシンのパワーメニューから [リセット] でも OK です。
注意) シャットダウンやパワーオフすると、物理 USB メモリとの接続が外れてしまいますので、その場合上記の接続をやり直してください。仮想マシンの電源自体は落とさずにリセットすることがポイントです。

リセットしたら、すぐに仮想マシンのコンソールをクリックして、入力可能な状態にしたあとで ESC キーを連打します。
リセット直後に以下の画面が出ると思いますので この画面で ESC です。
たいていの場合 間に合わないので リセットしたらすぐ、コンソール内をクリックして ESC 連打でもよいです。

ESC がうまく入れば、再度 Boot Manager の画面になります。
そして 物理 USB メモリが認識できていると、[EFI USB Device] が表示されるので、これを選択して Enter します。

これで USB メモリ内のイメージからのブートができました。
仮想マシンの場合は、物理USBメモリからのブートは少し手間がかかるので、仮想マシンでの作業に限れば 仮想 CD/DVD ドライブからの起動のほうが楽です。

物理マシンで行う場合は、各メーカごとに BIOS メニューに入る方法を確認の上、USB メモリをさしてパワーオンし、BIOS/UEFI のブートメニューから USB メモリブートさせる形となります。

しばらくすると Clonezilla のブートローダが起動します。

Clonezilla での操作

Clonezilla のブートローダが起動したら、そのまま一番上の [Clonezilla live (VGA (800×600) ] で進めます

Clonezilla が起動した後は、基本的には TUI (テキストユーザインタフェース) での操作となります。
カーソルキーと TAB キーでメニューを移動して、Enter を入力していく形です。

最初の画面は以下です。
表示言語の選択なので、[ja_JP.UTF-8 Japanese | 日本語] を選択して Enter とすると、これ以降可能な限り日本語表示になります。

次は、キーボードレイアウトの選択です。私は英語配列のキーボードなので、そのまま Enter としています。

日本語配列のキーボードの場合は、Change から日本語配列となるように選択してもよいです。
そもそも、この後の手順だと y と Enter だけ入力できればよいので、日本語キーボードで英語配列だったとしても困らないと思います。
Generic 101-key PC と Japanese を選択して後はデフォルトでよいと思います。(101 だとキーが足りないのではとか細かいツッコミは無しで…)

次の画面で、Start_Clonezilla を選択し Enter を入力します。

モードの選択画面で、[device-device] を選択します。

拡張パラメータに関するモードでは、[Beginner] を選択します。

[disk_to_local_disk] を選択します。

次の画面で、コピー元のディスクを選択します。
この選択が最も重要です。コピー元と先を間違えるとデータが消えます。
表示された画面に書いてあるのでよく読んでください。コピー元のローカルディスクの選択です。

以下のスクリーンショットでは、仮想マシンでのテスト時のものなので、容量ぐらいしかあてになりませんが、
実機で行う場合は、SSD のベンダー名なども表示されますので、それも参考にできます。
同サイズ、同ベンダーのディスク間のクローン作製の場合は特に注意してください。

次は、コピー先のディスクの選択です。
選択済みのコピー元は列挙されてきません。

拡張パラメータなどのは、デフォルトのまま Enter としていきます。

このあと、画面の下部に実行される予定のコマンドとオプション、引数が表示されます。
確認して Enter とします。

次に、本当に実行してもよいかの確認となります。
コピー先として選択したディスクが表示されます、そのディスクの内容はすべて削除されて上書きされます。
確認して、y と Enter を入力します。

もう一度、本当に実行してもよいのか確認されます。(2回目)
再度確認して、y と Enter を入力します。

その後は、処理が進められます。完了まで待ちます。

処理が完了すると、Enter を押してくださいという出力で止まりますので、Enter を入力します。
その後、Choose mode の選択となるので、poweroff から電源オフにします。

この段階で、仮想マシンを起動すると、古いほうのディスクから起動すると思います。
ディスクの管理から確認すると、以下のように新しいディスクはオフラインで、末尾に未割当領域がある状態です。

次は、古いディスクを仮想マシンから削除します。
仮想マシンはシャットダウンしておきます。

クローン元のディスクを仮想マシンから削除

クローン後は、物理マシンであれば、古い SSD を抜いて 新しい SSD をさせばよいです。

仮想マシンでもそれに相当する作業を行います。
GUI から操作できればよかったのですが、なぜか 削除ボタンがグレイアウトして有効にならなかったので、仮想マシンの設定ファイルを直接編集します。

まず、VMware Workstation Pro のライブラリのツリーで、対象の仮想マシンを右クリックし [仮想マシンのディレクトリを開く] をクリックします。
そのフォルダ内の 仮想マシン名.vmx というファイルが、仮想マシンの設定ファイルです。
念のため、.vmx ファイルはコピーを作成しておきます。

次に、仮想マシンの設定を開き、最初の仮想ディスクのファイル名を確認します。

そして、.vmx ファイルをテキストエディタで編集します。

▼ 編集内容

  • .vmx ファイルをテキストエディタで開き、確認した仮想ディスク名で検索します。(この例だと CloneTest.vmdk で検索)
  • 左側のキー名 (以下の例だと nvme0.0.filename) に着目します。
  • 同じ仮想デバイスノード (nvme.0.0) の .present のキーを探します。(nvme.0.0.present で検索) 仮想ディスクのキーと離れた個所に書いてあるかもしれません。
  • .present 値を FALSE に書き換えて保存します。(右の画像)

設定を反映させるために VMware Workstation Pro のライブラリで仮想マシンを右クリックして [削除] を選択します。

削除後、エクスプローラで編集した .vmx ファイルをダブルクリックすると再度ライブラリに登録されます。
再登録された仮想マシンの設定を確認すると、追加した仮想ディスクのみが表示されているはずです。

ここで試しに仮想マシンをパワーオンしてみます。
問題なくクローン出来ていれば Windows が起動できるはずです。

起動後、ディスクの管理を確認すると以下のような状態です。
Cドライブを右クリックしてもボリュームの拡張はグレーアウトしています。
これは C ドライブの後ろの隣接した領域に未割り当て領域がないためです。

次は、回復パーティションをディスクの末尾に移動です。

長くなってしまったので別ページに記載します。

参考となれば幸いです。