※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、アフィリエイト広告が含まれる場合があります。

Pixel 4a : ファクトリーイメージを使った Android Flash Tool によるアップグレードとダウングレード

2024年2月2日

概要

フル OTA イメージによるサイドローディングの場合は、特定のビルドにアップグレードすることは可能ですが、ダウングレードはできません。
アプリの検証の際に、前のバージョンの Android が必要となることがありますが、
すでにアップグレードしてしまった Pixel 4a の場合は、ファクトリーイメージを使ってダウングレードする形となります。

ファクトリーイメージを使ってのアップグレードやダウングレードはデータがすべて削除されます。
また、事前に SIM ロックが解除されている必要がありますので、ご注意ください。

ここでは Pixel 4a を使用した方法を記載してます。

Pixel および Nexus 用の Android ファクトリーイメージ

Google のページからファクトリーイメージは入手できます。
Nexus デバイスと Pixel デバイスのファクトリー イメージ

利用に際しては注意事項や利用規約があります。詳細は上記のページをご確認ください。

利用規約

警告: ファクトリー イメージをインストールすると、デバイスからすべてのデータが消去され、ブートローダーのロックを解除すると、デバイスのセキュリティが低下します。ほとんどの場合、代わりにフル OTA イメージをサイドローディングできます。この場合、データのワイプやブートローダーのロック解除は必要ありません。

Google アカウントにバックアップした特定のデータを復元することは可能ですが、アプリと関連データはアンインストールされます。続行する前に、保持するデータが Google アカウントにバックアップされていることを確認してください。

システム イメージのダウンロードとデバイス ソフトウェアの使用には、Google 利用規約が適用されます。続行すると、Google 利用規約プライバシー ポリシーに同意したことになります。また、システム イメージのダウンロードとデバイス ソフトウェアの使用には、特定のサードパーティ利用規約が適用されることがあります。この利用規約は、[設定] > [デバイス情報] > [法的情報] などに記載されています。

Nexus デバイスと Pixel デバイスのファクトリー イメージ – 利用規約

また、本記事では Pixel 4a に関しての情報となります。
Google Pixel 6、Google Pixel 6 Pro、Google Pixel 6a に関しては注意事項がありますので、それについても上記のページをよくご確認ください。

ファクトリーイメージを使ったダウングレード方法

ここでは Pixel 4a でファクトリーイメージを使ったダウングレード方法について記載します。アップグレードも同様です。

Android Flash Tool を使用した方法

Android Flash Tool による方法が簡単なので、こちらでの方法を記載します。
詳細手順は、Android Flash Tool のページに記載があります。

以下、Pixel 4a と作業用に Windows の PC を使っています。
作業前 Pixel 4a は Android 13 (TP1A.220624.014) にしてあります。

ダウングレード前

(1) Windows へ USB ドライバをインストールする (必要に応じて)

Pixel 4a の場合は、Google USB ドライバを入手するのページを確認し、USB ドライバを入手してインストールします。

方法としては 以下の2つがありどちらでも可です。

  • zip ファイルをダウンロードして手動でインストール
  • Android Studio 経由で入手する

いずれも Google USB ドライバを入手するのページにて順が記載されているので、ここでは詳細割愛しますが、
zip ファイルで個別に入手した場合、本稿更新時点では usb_driver_r13-windows.zip がダウンロードできます。
Android Studio 経由で入手した場合は %USERPROFILE%\AppData\Local\Android\Sdk\extras\google\usb_driver 配下に、ドライバファイルが配置されます。

android_winusb.inf ファイルを右クリックして、[インストール] を行うことでドライバをインストールできます。

Google USB ドライバ とインストール

android_winusb.inf ファイルを確認するとわかりますが、
DriverVer = 08/28/2014,11.0.0000.00000
がインストールされますので、古いような印象を受けますがこれであってます。

USB ケーブルで PC と接続した後、デバイスマネージャで確認できます。

(2) Pixel 4a 側を準備する

Pixel 4a 側で、開発者向けオプションを有効にし、[USB デバッグ] と [OEM ロック解除] を有効にします。

開発者向けオプションを有効にする方法は、フル OTA イメージによるサイドローディングの場合で記載したのと同様です。
設定 – デバイス情報 – ビルド番号 の部分を 7回連続してタップすると開発者向けオプションを有効にできます。

設定 – システム – 開発者向けオプションを開き、[USB デバッグ] と [OEM ロック解除] を有効にします。
OEM ロック解除ができない、グレーアウトしている場合は以下について確認が必要です。

  • インターネットに接続しているか (Wifi 経由でもよい)
  • Google にチェックインしているか
    インターネットに接続した状態で 電話アプリを起動して *#*#2432546#*#* と入力するとチェックインできます。
  • キャリアのSIMロックが解除されているか

(3) Pixel 4a と 作業用の PC を USB ケーブルで接続する

(4) Android Flash Tool でダウングレードする

今回は 12.1.0 (SP2A.220305.012, Mar 2022) にダウングレードしてみます。

Nexus デバイスと Pixel デバイスのファクトリー イメージ を 作業用の PC の Chrome で開いて
Pixel 4a のファクトリーイメージの 12.1.0 (SP2A.220305.012, Mar 2022) の右側の Flash をクリックします。

対象のファクトリーイメージの Flash のリンク

Welcome to Android Flash Tool のページが開きます。
Get Started のボタンをクリックします。

Welcome to Android Flash Tool のページ

Windows 用の USB ドライバが必要であることを示すダイアログが表示されますが、インストール済みなので Already installed をクリックします。

Additional software needed for Windows のダイアログ

Chrome のポップアップブロックが有効になっていると、以下のダイアログが表示されます。

ポップアップブロックが有効となっていると表示されるダイアログ

ブラウザ側でポップアップブロックを無効化します。
アドレスバーにあるアイコンから行うのが早いです。

ポップアップブロックを無効化した後、Show Dialog again をクリックします。

Grant access to ADB keys のポップアップウィンドウが表示されるので Allow ADB access をクリックします。

Grant access to ADB keys ののポップアップウィンドウ

Installing build – No devices available の表示に変わるので、Add New Device をクリックします。

Installing build - No devices available の表示


ポップアップウィンドウで Pixel 4a を選択して 接続をクリックします。

Installing build のウィンドウに戻ります。Auth Pending と表示がある場合は、Pixel 4a 側の画面で USB デバッグの許可を求めるダイアログが表示された状態になっています。
Pixel 4a 側を操作して許可します。

Installing build - Auth pending

USB デバッグを許可すると表示が Connected 変わります。
Selected Targed を Sunfishfish-user (signed) を選択します。

そのほかファクトリーイメージをインストールするときのオプションが選べます。
以下では、Lock Bootloader だけチェックを入れた形で進めています。

Lock Bootloader を選択

念のため、各オプションの ? の説明部分のスクリーンショットも記載しておきます。

確認画面がでるので Confirm をクリックします。

Confirm and install のダイアログ

ライセンスに関するダイアログが表示されるので、確認して受諾できる場合は I Accept で進めます。

License のダイアログ

Preparing you device – in Progress となり少し処理が進みます。

Installing Build -Preparing you device - in Progress

ワイプ(データ消去) が必要となるので、問題なければ Yes で進めます。

Factory reset required

追加の操作が必要とあるので、Pixel 4a 側の画面を確認して USB デバッグのダイアログが表示されている場合は許可します。(このコンピュータのUSBデバッグを常に許可するのチェックも入れておくよいです。)

Addition Action Required のダイアログ

ブートローダーのアンロックを行う必要があることを示すダイアログが表示されるので Start をクリックします。
その後、デバイス側の表示に従うように表示されます。

Pixel 4s 側の画面を見ると以下となっています。音量上下ボタンで [Unlock the bootloader] を選んで電源ボタンで決定し、ブートローダーをアンロックします。

アンロック後、作業用 PC のブラウザでダウンロード、インストール、フォーマットなど随時処理が行われます。特に行うことはなく待つだけです。

この間 Pixel 4a 側の画面は以下のような流れで変わります。(ブラウザの表示で促されるまでは触りません。)

ファクトリーイメージのインストールが終わると、作業用の PC のブラウザで Lock Device のダイアログが表示されます。(これはチェックを入れて実行していたためです。)
Start をクリックし、そのあと Pixel 4a の画面の表示に従うような表示に変わります。

このとき、Pixel 4a 側の画面は以下となりますので、音量大小ボタンで [Lock the bootloader] を選択して、電源ボタンで決定します。

その後、ブラウザ側は Install Completed に変わります。このあとは USB ケーブルは抜いても大丈夫です。
Pixel 4a 側はリブートし、ダウングレードしたバージョンで起動してきます。

これでファクトリーイメージによるダウングレードができました。

参考となれば幸いです。